谷原誠著の『「いい質問」が人を動かす』を読んでみた

「いい質問」に人は必ず反応する。では「いい質問」とは何だろう?


読み終えたときに「自分は変わらないといけない」と自然に思えたときこそ、良い本を読んだと言えるのではないか。

 

今日は私わらびがそう思えた本の一冊『「いい質問」が人を動かす』を紹介したいと思います。

 

「人を動かすには、命令してはいけません。質問をすることです。人をその気にさせるには質問をすることです。また、人を育てるには質問をすることです。」
「そして、人生で成功するには、やはり質問をすることなのです。」

 

そう話すのは、弁護士の谷原誠氏です。25歳で弁護士になった著者が、裁判で相手方から言われたことをきっかけに交渉や説得の際には「質問」がカギを握る事を学び考え、人生で成功する力をつけるために必要な「質問する力」についてまとめています。特に質問は次の6つの偉大な力を持っていると書いています。

 

①思いのままに情報を得る
②人に好かれる
③人をその気にさせる
④人を育てる
⑤議論に強くなる
⑥自分をコントロールする

 

自分の人生を成功させるために必要なのは、自分と相手の両方向に向けた「質問」が上手になる事。他者とのやり取りにおいても効果を発揮し、未来の自分を考えるきっかけを与えてくれる、実にアイデアの厳選だと言えるでしょう。

 

1章ごとに上に述べた6つの力のうち1つを取り上げており、合計6章からなっています。非常に分かりやすい語り口調の文体と、各章の最後にフィードバックの図や項目が入っていることで、きれいにまとめられた本です。

 

1.そもそも質問とは

そもそも「いい質問」とは何か。質問には良し悪しがあるのか。

 

ゼミの議論中には質問が飛び交うだろうし、バイト先でも分からないことを聞くために質問はすると思います。質問は日常的に行われています。

 

その一方で、相手との会話を広げるためや、ある目的があってそこに誘導するためにする質問もあると思います。ある種の誘導尋問ですね。

 

第1章の「知りたい情報を楽々獲得する6つのテクニック」では基本的な質問の種類を述べています。どういう答えを必要としているかによって質問の形式を変えていくという内容です。例えば自由に答えてもらう「オープンクエスチョン」と答え方を制限する「クローズドクエスチョン」があることや、さらに英語の授業で習った方も多いと思われる「5W1H」を考えることなど。

 

友達と会話する時やインタビューをする時、「私って質問をするのが下手だ……」と感じたことはありませんか? それは質問の仕方がワンパターンで、どう質問をすれば私の望む答えを相手が言いやすいかを考えていない、つまり相手の立場に立つことが出来ていないからだと思うのです。何を目的として質問するのかを、まず自分に対して質問をすることが大切なのだと気付かされます。

 

目標は、タイトルにもなっている状況に応じた「いい質問」ができるようになること。そのために質問の構造を解き明かし、考え方やテクニックを説明しているのが、本書の大筋な流れです。

 

2.人を動かす質問とは

第2章から第4章では、相手の立場に立ち質問をすることで、人をその気にさせることが可能ということを述べています。

「したがって、人をその気にさせ、動かすには、「まず感情を動かし、その後理性で正当化できるようにしてあげる」ことが必要ということになります。」

 

人間というのは先に「あれが欲しい」などと感情が動き、「いやいや値段的に買えないだろう」と理性が感情を正当化します。ここで述べられるのは、それを質問することによって、感情と理性の両方をいい方向に運ぶというものです。

 

「いい質問」をする力を鍛えるためには、まず人間の行動動機やプロセスを理解することが必要で、論理的にモノを考える必要があります。「いい質問」ができると、人をその気にさせる質問も、人を育てるのも、相手の思考を質問によって変えることができるので一路順風に事が運ぶのです。

 

谷原さんは、家電量販店での対話や友達との世間話など日常的にありふれた会話を題材として、「いい質問」と「悪い質問」の両方を書いてくれています。想像しやすいことに加え、「シャーロックホームズの質問法」や「質問ブーメラン」などと筆者独自のネーミングを提案していて読んでいて面白いんです。

 

3.自分を変える「いい質問」とは

第5章までが相手に対する質問をテーマとしていたのに対し、最終章6章では自分に対して「いい質問」をすることが述べられます。題名にある「人」とは他人だけでなく自分自身も含んでいるという事です。人はみな、この先自分がどのように生きたいかを考える時があると思いますが、その思考の「型」を築いてくれる人生のハウツー本でもあるなといったところです。

 

本書のテーマ上「質問」という言葉でまとめられていますが、思考法や心理学的にも当てはまる本だと感じます。

 

「いい質問」が人を動かす 谷原誠 文響社 2016-10-04

 


一冊を通して書かれるのは、人生を成功させるための質問の仕方であり、質問の生かし方です。「質問」はありふれているからこそ、その質を上げることは大切であり、さらに本書ではその構造分析が論理的に為されているため、実践のし甲斐があると思います。

 

春休みは時間がたっぷりとある分、その時間の使い方は人それぞれだと思いますが、この記事が春休みに自分を見つめ直すキッカケになると幸いです。それではみなさん残り1カ月と少しの春休みを満喫して下さい!

 

以上、わらびでした!

 

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